イラストレーターのお仕事帳
イラストレーターのお仕事帳 ~No.001 金安亮さん~
イラストレーションファイルWebに掲載中の作家にフォーカスする新連載がスタート。クライアントワークにまつわる5つの質問をとおして、イラストレーターの仕事との向き合い方を紹介していきます。記念すべき第1回でお話をうかがったのは金安亮さんです。

┃クライアントワークを受注するために普段していること
基本的にInstagramとファイルWebで実績を公開するようにしています。僕は個人のウェブサイトがないので、InstagramのDMかファイルWeb、それと公開しているメールアドレスから仕事がくることがほとんどです。あとは、ヴィジョントラックやシュガーなどのエージェント経由で依頼をいただくこともあります。
ほかには、海外案件を増やしたいなと思っているので、Adobeのポートフォリオサイト・Behanceを使いたいと考えているところです。
最初にイラストレーションの仕事を受けたのもInstagramがきっかけでした。専門学校卒業後にアパレル向けのテキスタイルを扱うデザイン会社に就職して、5年ほど働いてからテキスタイルのデザイナーとして独立したんです。フリーになって少ししたタイミングでInstagramが流行り始めたので仕事の合間に自分で描いた絵を載せていたら、当時の『& Premium』の編集長が僕のアカウントを見つけてくれて、そこで初めてイラストレーションの仕事を受注しました。当時のフォロワーが500人くらいだったのでよく見つけてくれたなぁと思いますね。
┃ファイルWeb経由で依頼があった印象的なお仕事
広告制作会社の東京アドデザイナースから依頼を受けた、コクヨのショールームの案件です。
メールで詳細をいただいた後、Zoomで打ち合わせをして、まずラフを提出しました。ADが僕のタッチや意向を汲んでくださる方で、色数を絞ったり、髪に色を入れずに網点で表現したいという希望も快く受け入れていただきました。
おかげでとてもやりやすく、途中で大きな修正もなく、スムーズに最終OKをいただくことができました。

┃クライアントワークの際に心がけていること
クライアントは僕のポートフォリオを見て声をかけてくださっていると思うので、自分の色はちゃんと残したいなと。広告案件はいろいろ制約もありますが、それをどうクリアしつつ自分らしさを出すかを大切にしています。
先方の要望どおりに仕上げたとしても、自分の色がまったく出ていなかったらその後につながらないということもあるので、「最近こういうイラストが多いな」と思ったら案件ごとに新しいことに挑戦したり違う描き方をしたりしています。
線画のイラストレーションはここ数年流行っているので、その中で自分がどう描くかはかなり工夫しています。例えば、線の太さやどのくらい線をつなげるかなどは意図的に差別化しています。どんどん新しい人が出てくるので、「いかに紛れず、ちゃんと残るか」ということは常に意識していますね。
┃使用している制作ツール
iPadと、付属のApple Pencilを使っています。アプリはProcreateです。あとはIllustratorとPhotoshopなど一般的なツールです。
┃今後してみたいお仕事
本の装画や広告の仕事は好きですね。僕は「なんでも自由にやっていい」となるとできないタイプで、自分はアーティスト気質ではないなと思います。だから広告のように、ある程度枠組みがある中で取り組む方が多分性に合っているんですよね。なので、個展を開いている人はすごいなと感じます。自分の作品となるといろいろ考えてしまってなかなか手が進まないです。
仕事ではありませんが、気になっているのは立体のフィギュアです。JUN OSON さんのフィギュアを見て「いいなぁ」と思ったのがきっかけで、いつか自分が描いている人物のフィギュアを作ってみたいです。
金安亮(KANEYASU Ryo)
岡山県倉敷市在住。フリーランスのイラストレーターとして広告、書籍、WEB、企業/ブランドとのコラボレーションなどさまざまな媒体で活動。
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