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イラストレーターのお仕事帳

イラストレーターのお仕事帳 ~No.006 岸潤一さん~

イラストレーションファイルWebに掲載中の作家にフォーカスする連載を毎月お届け。クライアントワークにまつわる5つの質問をとおして、イラストレーターの仕事との向き合い方を紹介していきます。第6回でお話をうかがったのは、岸潤一さんです。

 

┃クライアントワークを受注するために普段していること

InstagramやXといったSNSの投稿がメインです。特にInstagramは、実際に「投稿を見て声をかけた」と言っていただくこともあるので、今後はより力を入れて発信していきたいと考えています。以前は「こういう仕事をしました」といったシンプルな投稿が多かったのですが、最近は制作時の意図を一言添えるようにしています。

岸さんのInstagramの投稿

また、昨年プレゼンのお話をいただいたものの受注には至らなかった方や、新たにお声かけいただいた方に向けて、年始の挨拶としてちょっとしたメッセージを送ることもあります。「忘れないでください」という気持ちを込めて、昨年お声かけいただいたことへのお礼と、より良い作品づくりに努めていくのでよかったらSNSをチェックしていただけると嬉しい、という内容のご連絡をしています。

  

┃ファイルWeb経由で依頼があった印象的なお仕事

1つは三井不動産リアルティの卓上カレンダーの仕事です。最初にファイルWebからご連絡があった際は、まだプレゼン段階で、まずはプレゼン用のイラストレーションを描いてくださいという依頼からスタートしました。

「卓上カレンダー」(三井不動産リアルティ)

テーマについて打ち合わせをした際には、「楽しい暮らしや社会をつくる 」というイメージと車のモチーフを入れること以外は、「描きたいように描いてください」と、自由にお任せしていただいたんです。要望をいただいた後、まずは構図や描く内容が伝わるよう、かなり大まかなラフを作成し、それを確認していただきました。OKが出たらより具体的なラフへと描き込みを進め、最終的に着色して仕上げていきました。

完成像の大まかな枠組みからイメージを膨らませていく案件はこれまで何度かありましたが、ここまで自由に描かせていただくのはレアなケースでした。そのため最初は戸惑いもありましたが、今描けるものを素直に描いた結果、採用をいただき、卓上カレンダーとして形になりました。その時の自分が出せるものをしっかり描けたという実感があり、とても印象に残る仕事となりました。

 

もう1つは、アパレルブランドniko and ...のご当地マグカップのイラストレーションです。地域ごとに複数のイラストレーターが参加したプロジェクトで、僕は名古屋と大阪のデザインを担当しました。名古屋は、名古屋城や手羽先、名古屋コーチン。大阪は虎や串カツ、ミックスジュースなど、その土地の名物をモチーフとしてふんだんに盛り込んでいます。

「ご当地マグカップ」(niko and...)

この仕事は先方からモチーフを指定されるのではなく、こちらから提案して確認が取れたらラフに落とし込んでいく、という流れでした。マグカップの顔になる部分には、インパクトのあるモチーフや文字を配置し、どの角度から見ても文字が見えるようにするなど、立体物ならではの仕上がりを意識しています。

僕はこれまで紙媒体のイラストレーションを手がけることが多く、雑貨や商品パッケージに挑戦してみたいという気持ちが強くあったので、こうした形で雑貨の仕事をできたことがありがたく、印象に残っている仕事です。

   

┃クライアントワークの際に心がけていること

クライアントとのコミュニケーションをきちんと取ることを一番大切にしています。特に、クライアントが消費者に向けて、どのターゲット層にどのような見せ方・訴求をしたいのか汲み取ることが、制作における根幹だと考えています。

そのため、修正指示をいただいた際に言われた通り対応するだけでなく、その指示の裏にある本当の目的を確認したうえで、よりよい仕上がりになるよう提案することも心がけています。

例えば、着色後に「この青色を赤色に変更してください」といった指示をいただくことがあるとします。指示通りに修正するだけであれば、ある意味“楽”ではありますが、もし「イラスト全体をもう少し明るくしたい」という意図からの修正であれば、「それなら他のこの部分の色を変更したほうが、より効果的ですよ」といった提案をするようにしています。

その際、内容が単純であればメールで連絡することもありますが、テキストだけでは伝えにくい場合や、先方の考えをより詳しく確認したい場合には、電話やオンラインミーティングを使うこともあります。僕は話せば2、3分で済むことを文章で伝えようとすると時間がかかってしまうタイプなので、割り切って担当の方に「少しお電話してもいいですか」とメールをして、相談させてもらうことが多いです。そうすることで、メールだとわかりにくい先方の言葉のニュアンスや意向の強さが伝わってくるので、僕自身は電話やオンラインツールでのやり取りのほうがやりやすいと感じています。

 

┃使用している制作ツール

最初から最後までPhotoshopで作業しています。他のツールを試してみようと思った時期もありましたが、結局やり慣れたものに戻ってきて今もPhotoshopを使っています。作業環境はMacです。ブラシはこれまでいろいろと使ってきましたが、実際によく使うのは10種類もないくらいです。

 

┃今後してみたいお仕事

僕は北欧の色使いが好きで、雑貨やインテリアから自分の作品へ影響を受けている部分もあります。前に答えた内容と重複しますが、そのためパッケージや雑貨といった消費者の方が直接手に取れるものをもっと手がけてみたいと思っています。

  

 


岸潤一(KISHI Junichi)

北欧風な色使いで主に版画調のテクスチャーを加えたイラストを描く。おしゃれなイラストを得意とし、クライアントの意図を汲み取り、わかりやすくキャッチーなビジュアルを提供できるよう心がけている。広告やWeb、雑誌、書籍などで活動中。ホームページではその他のタッチも公開中。

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