日本のイラストレーション界に偉大な足跡を残した灘本唯人の集大成となる一冊。
「灘本唯人 にんげんもよう」8月23日発売。
「灘本唯人 にんげんもよう」
8月23日発売
1950年代より常に第一線で活躍し、今年7月に惜しくも90歳で世を去った日本を代表するイラストレーター・灘本唯人さんの作品と活動をまとめた集大成ともいうべき特集本です。
広告ポスターから書籍の装画、小説の挿絵、雑誌のイラストレーションなど、幅広く手がけた灘本さん。その画風はまさに変幻自在。ある時はリアルでシリアスなタッチで、またある時は軽妙洒脱な線描で、和モノ洋モノ、現代小説から時代物までなんでもござれ。特に女性の表現においては、正統派の美女に加えて、「灘本式美人画」と呼ばれる大胆にデフォルメを効かせたスタイルでも知られました。
1960年代よりイラストレーターという肩書きを積極的に使って世に広め、東京イラストレーターズクラブの結成にも参画、その後結成された東京イラストレーターズ・ソサエティでは長く会長を務めました。自身の輝かしい業績とともに、日本のイラストレーション発展への多大な貢献が認められ、イラストレーターとして初めて紫綬褒章を受章しています。また、作家やグラフィックデザイナー、芸能人まで、交友関係の広さでも知られました。
灘本さんが一貫して描き続けたのは人の心の機微、よろこびとかなしみ。それはご本人が好んで用いた「にんげんもよう」という言葉に集約されています。本書は、その多岐にわたる仕事・作品を6つの章に分けて収録。ゆかりの深い方々のコメントや貴重な資料写真とともに、その活動を振り返ります。
本書の内容
1章 ポスター
2章 書籍・雑誌
3章 美人画
4章 挿絵
5章 絵本・その他の仕事
6章 オリジナル・展覧会作品
コメント
松任谷由実/黒柳徹子/宇野亞喜良/和田誠/横尾忠則/長友啓典/唐仁原教久/下谷二助ほか
(敬称略)
灘本唯人 Tadahito Nadamoto 1926年神戸生まれ。大野図案工房、山陽電鉄宣伝部を経て61年早川良雄デザイン事務所に入所。67年よりフリー。講談社出版文化賞、ニューヨーク ジャパン グラフィックデザイン大賞、フジサンケイグループ雑誌広告賞、桑沢特別賞ほか受賞。93年紫綬褒章、03年勲四等旭日綬章受章。16年7月19日没。 オフィシャルサイト http://www.tadahitonadamoto.com/ |
玄光社MOOK/イラストレーション別冊
灘本唯人 にんげんもよう
2016年8月23日発売
本体2,000円+税