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犬がいた季節とコーシローのスケッチ

伊吹有喜さんの「犬がいた季節」を読みました。フェイスブックの同級生から高校時代に美術部で飼っていた犬のコーシローにいついて知っていることを教えて欲しいとメッセージが飛んできました。
最初はあまり思い出せなかったんですが、しばらく前に実家の母から新聞記事が送られてきていて、あ!あの記事の事かぁと繋がったんです。

それでもまだおぼろげで、コーシロー・・・コーシローと頭をひねりながら母に電話をすると「あんたのスケッチが取ってある。」と。写メを送ってもらうと、小説にも出て来るコーシローのスケッチの事や美術部の事、描いていた場所の記憶が鮮やかに蘇ってきました。すぐ本を読ませていただきました。

第1章には犬の名前にもなった早瀬光司郎くん、第4章はこれまた美術部の男の子で主人公の優花に憧れている10歳の離れた高校3年生の中原大輔くん。他にも美術部の顧問の五十嵐聡(これは・・・鈴○田先生ではないですか?)先生や、腕試しに内緒で通った千種にある河合塾美術研究所の事など「どこからがフィクションで、どこまでが伊吹さんの記憶や取材なのだろう。」と感心させられる素晴らしい描写でした。

八陵高校を舞台に全国模試を休んで鈴鹿サーキットへ自転車でF1を観に行く男の子同志の物語や、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件など、昭和の終わりから平成、令和への事実を交え続く18歳の高校生たちの青春のリレーをコーシローを通して紡いでいます。読み終えてとても清々しい気持ちになりました。

コーシローと在学生が富田山駅から上京する生徒の姿を見送る十四川は実在します。春になると主人公優花の花の桜がとても綺麗です。
就職や進学で上京するか地元に残るかで悩む全ての高校生から、かつて高校生だったシニアにもお薦めしたい。男性も女性も必ず自分をどこかにを投影できる人物がいます。出版社の方に教えて頂いたのですが、本書を読み終えた後に本のカバーを外すと、お楽しみが隠されています。

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