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「土偶を読む」を読む

5年前に「モジャーくん」という絵本を三恵社から出しました。その共同の作者は秋山妙子さん。彼女は好奇心が旺盛で、青山でスウェディッシュ・マッサージの施術をしています。ある時「面白い人が居るから講演を聴きに来ない?」と誘われたのですが時間が取れずに行けませんでした。ずっと気がかりだったその人が著者の竹倉史人さんでした。

土偶は縄文時代の女性を形取ったもので呪術や祭祀で使われたなど、通り一遍の知識は教科書で学んだ記憶がありますが、この定説をひっくり返す斬新な内容です。「実は植物や貝類を形どった精霊像・ユルキャラだった」・・・と。著書は日本の神話や世界の神話、シャーマニズムの知識を下地にイコノロジーというユーモアに溢れる見た目の比喩から入っています。
また、図書館や日本各地の遺跡や貝塚に入り探したデータを元に導き出した仮説がわかりやすく書かれています。

奈良時代~飛鳥時代の古事記以前の大陸から漢字が入って来て大和の国が出来るまでも、魏の国の伝記に倭国と記述がある様にこの島には遡る事BC14000年から先住民が点々と住んでいたわけですね。口承文化の人々です。

この本を読みながら縄文時代に暮らしていたかもしれないご先祖様に思いを馳せてみました。稗田礼次郎の気分で(笑)
暮らしぶりはどうだった?とかね。明日、食べられる生活をを願うなら頂いた食べ物に敬意をお返しする祭りはそりゃ欠かさないよねぇとか。

「福丸」(https://www.michemon.com/pages/6223014/page_202206292040)や「神話と伝説」(https://www.michemon.com/pages/6158555/page_202206140025)とも重なるよなぁとも思いました。


多くの方に読まれていつの日か日本史が変わる事を心の片隅で願っております。本書に学術書の類は求めていないので、自由で説得力のあるこの本を縄文マニアの皆さんにお薦めしま~す。

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