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「額縁だけの展覧会」の中へ
奥田孝明
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2021.11.28
「額縁だけの展覧会」の中へ
子供の頃に「クラシック音楽」と聞いて、まずパッと思い浮かぶイメージは、学校の音楽室のちょっと高い所にズラッと並んだ楽聖たちの肖像画の数々でした。外人だし、昔の貴族みたいだし、遠い世界の人たちのようで、なんだか随分と物々しい。そんなちょっと堅苦しい、クラシックに対するイメージをあっさりと塗り変えてくれたのが、ELP(エマーソン、レイク&パーマー)の「展覧会の絵」(1971年)のレコードでした。
ロシアの作曲家ムソルグスキーの原曲をベースに、間にオリジナル曲をはさんで、大胆にロック・アレンジしたライヴ・アルバムです。キーボード(オルガン、シンセサイザー)を多彩に弾きまくり、必死に格闘(?)するキース・エマーソン。パワー全開で、鼓舞し煽り立てるようにドラムを叩くカール・パーマー。そうした激しいパフォーマンスの後で、艶と張りのある声を、アコースティック・ギターの弾き語りでじっくりと聴かせるグレッグ・レイク。動と静の鮮やかな対比。見えない会場の雰囲気を想像しつつ、三人のダイナミックな演奏の息吹と勢いを感じるために、何度も盤に針を落としていたのでした。
展覧会の絵 https://www.youtube.com/watch?v=xWQct6D6HsM
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