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発注者向け!契約と著作権のきほん
発注前の4つの”きほん”クライアントのみなさんとイラストレーターが、お互い気持ちよく仕事をするために。依頼の前に知っておいてほしい「4つの“きほん”」をまとめました。きほん1新たなイラストレーションの制作を依頼する場合、その報酬の内訳は、著作権譲渡についての取り決めをしない限り、制作料と「イラストレーションの利用を認めることに対する使用料」であることが原則です。使用料であるからこそ、発注時に使用範囲として取り決めていなかった媒体でイラストレーションを使用する際は、それが同じ絵を使う場合でも、基本的には媒体ごとにそれぞれ報酬を支払う必要があります。きほん2契約条件を合意する前に、スケジュールの関係から、先行してラフ制作などが依頼されるケースがあります。しかし、契約条件を確認・合意しないまま制作を進めることは、その後のトラブルの原因となります。お互いが気持ちよく仕事をするためにも、制作は契約内容について双方で合意できてから進めるようにしましょう。きほん3当初の契約で合意していた「使用範囲」や「使用期間」を超えてイラストレーションを使用する場合には、その分の追加料金などの使用条件について、イラストレーターとの事前の協議が必要です。イラストレーターに無断で、使用媒体を増やしてしまっていた、なんてことはないでしょうか。特にウェブに掲載する場合など、あらかじめ「使用期間」について意識して決めておくことも大切です。期間を延長して使用したい場合は、その都度事前にイラストレーターと条件などについて協議を行いましょう。きほん4著作権の譲渡とは、契約などで特別な制限を加えない限り「どの媒体でも、どの用途でも、いつまでも、何度でも使用できる」ことを意味します。それだけ影響の大きな権利なので、著作権譲渡を希望する場合には、著作権譲渡料としてイラストレーターに相応の対価を支払う必要があるといえます。また、イラストレーションを使用する上で、著作権譲渡は必須ではなく、適切な使用許諾を得るという方法(「著作権譲渡契約」ではなく「著作物利用許諾契約」)などで対応できるケースも多々存在します。安易に著作権譲渡を前提とせず、ぜひほかの方法で対応できないかも検討してみてください。よくある5つのNG事例著作権について十分に知らないまま進めてしまい、悪意はなくても、結果としてイラストレーターの権利を侵害してしまうケースがあります。実際によくある、5つの「NG事例」を紹介します。NG1事前に契約書などで必要な取り決めをしていない限り、イラストレーターの許可なく色や形を変更することはできません。イラストレーターは創作者として「私に無断で私のイラストレーションを改変するな!」といえる「同一性保持権」という権利を有しています。何らかの改変をしたい場合には、必ずイラストレーターに許諾を得るようにしましょう。NG2著作権譲渡の合意や包括的な使用許諾の合意などがない限り、発注時に使用範囲として取り決めていた媒体(もしくは想定されていた媒体)以外でイラストレーションを使用する場合には、媒体ごとに追加料金などの使用条件について、事前にイラストレーターと協議した上で許諾を得る必要があります。イラストレーターの許諾がないまま当初の取り決めにない範囲で二次使用を行うと著作権侵害になりますので、必ず事前にイラストレーターに相談してください。NG3「NG事例②」同様、著作権譲渡の合意や包括的な使用許諾の合意などがない限り、発注時に使用範囲として取り決めていなかった媒体でイラストレーションを使用することはできません。掲載媒体が増えたことによる追加の「使用料」などの条件について、イラストレーターに確認する必要があります。またウェブの場合は、半永久的にイラストレーションが掲載できることになるので、「使用期間」についても意識して、イラストレーターとの間で協議合意(必要であれば契約を更新)するようにしましょう。NG4著作権を譲渡していなければ、原則としてイラストレーターは自身のウェブサイトなどに著作物を掲載することができます。また、実績として公開できることを前提に受注するケースも少なくありません。実績としての公開を認めることが難しい事情がある場合は、発注時点においてその旨をイラストレーターに伝えておき、場合によっては事前に守秘義務契約などで、実績として公開してよい範囲とダメな範囲などについて明確に決めておくようにしましょう。NG5納品されたイラストレーションの「原画」には、所有権が発生しています。契約などで所有権移転の合意や原画の買い取りの合意がない限り、原画が納品された目的を達成したらすみやかに返却するようにしてください。 協力:TIS著作権委員会 監修:弁護士 田島佑規(骨董通り法律事務所) ill:浅妻健司
- 3/26/2026
- 玄光社新刊案内
イラストレーター770人の仕事ファイル『イラストレーションファイル2026』3月31日(火)発売
イラストレーター770人の仕事を中心に掲載する『イラストレーションファイル2026』(玄光社)が、3月31日に発売する。上巻には「あ~さ行」の426人、下巻には「た~わ行」の344人を収録し、さまざまなメディアへ “イラストレーション” という可能性を届けることを主眼としている。イラストレーターの方々の連絡先や略歴はもちろん、掲載作品は基本的に広告や書籍などの実際世に出た形で掲載されており、スタッフクレジットも明記されている。また、巻末の「AD INDEX」を見れば、アートディレクター・デザイナー別に検索することも可能だ。 今年の表紙イラストレーションは上巻が庄野ナホコさん、下巻は髙橋あゆみさん。アートディレクションとデザインは昨年に引き続き、尾崎行欧デザイン事務所の尾崎行欧さん、安井彩さんが担当した。 上巻下巻ともに登場する「金魚」が、2人の描く世界を繋いでいるよう。上巻では小さかった金魚たちが、下巻では人物よりも大きくなって登場し、別々に見ても一緒に見ても楽しい表紙になっている。 『イラストレーションファイル2026』上巻 ページサンプル『イラストレーションファイル2026』下巻 ページサンプル巻頭特集「451人に聞いたイラストレーター実態調査」今回の巻頭特集「451人に聞いたイラストレーター実態調査」では、イラストレーター451人の制作や仕事に関する声を集めた。どのように制作し、仕事を得ているのか。仕事を続ける上での課題や困りごとは何か。調査結果からイラストレーターのいまが見えてくる。また、今回はイラストレーターへ依頼前に確認したい「発注チェックリスト」を掲載。クライアントとイラストレーター双方の認識のずれやトラブルを防ぐために、このチェックリストを活用してみたい。さらに下巻には「発注者向け!契約と著作権のきほん」として、NG事例とともに契約について学ぶことができるまとめも。イラストレーターの権利を侵害しない、侵害されないための知識がまとまっている。 『イラストレーションファイル2026』上巻(玄光社)『イラストレーションファイル2026』下巻(玄光社)
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- PICK UP
PICK UP! 「動物モチーフ」の仕事
「イラストレーションファイルWeb」では、登録イラストレーターが、それぞれの仕事実績を日々投稿しています。その多種多様な仕事の中から、編集部が特定のジャンルに絞った仕事実績を、ピックアップしました。今回は、2026年2月に投稿された魅力的な「動物」の仕事を紹介します。*本記事に掲載した仕事実績は、「illustrator’s information」内の「works」に投稿された中の一部です。*登録イラストレーターの仕事実績は、「illustrator’s information」内の「works」で見ることができます。動物モチーフの仕事動物をモチーフとしたイラストレーションは親しみやすく、その愛らしさから癒されることもしばしば。今回は魅力的な動物を描いた作品を紹介します。國栖晶子さん絵本『オレたちわるガキトリオ』(ヴィッセン出版) 作・絵:國栖晶子詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/works/48146コナガイ香さんSPUR公式HP特集イラスト「琉球風水志シウマさん監修 スマホ開運術2026年上半期」イラストレーション:コナガイ香詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/news/46927早川容子さん『かぎ針で編んでみよう』1・2・3巻(保育社)松村忍著イラストレーション:早川容子詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/works/48250 かんのあやさん「目白大学/MEJINAVI 2026」WEBサイトイラストイラストレーション:かんのあや詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/works/48176中田弘司さんモバイル金剛寺 親子で使おう まほうのことば44:せいりせいとん 動画イラストイラストレーション:中田弘司詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/works/48230たけもんさん『いっしょにあそぼう!まちがいさがし』2月号(マガジン・マガジン)掲載イラストイラストレーション:たけもん詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/works/48138ささきまゆさん2026 ならペンギンランド キービジュアル イラストレーション:ささきまゆ詳細:https://i.fileweb.jp/illustrator-list/information/works/48134
- 3/27/2026
- イラストレーターのお仕事帳
イラストレーターのお仕事帳 ~No.007 コナガイ香さん~
イラストレーションファイルWebに掲載中の作家にフォーカスする連載を毎月お届け。クライアントワークにまつわる5つの質問をとおして、イラストレーターの仕事との向き合い方を紹介していきます。第7回でお話をうかがったのは、コナガイ香さんです。 ┃クライアントワークを受注するために普段していること基本はInstagramとイラストレーションファイルWebなどの登録サイトを月1くらいの頻度で更新しています。HPもありますが、今はほとんど運営しなくなっていて1年に1回更新するくらいです。ただ名前のある会社さんはHPがある方に発注したいという傾向が強いようで、SNSで知ってもHPを検索して、これまでどんな仕事をしてきたかチェックされることが多い印象があります。中にはかなり昔の仕事を見てご依頼くださる方もいて、今と絵のテイストが違うため受けることが難しいことを伝えると「じゃあ今のテイストで」とすんなり言っていただけて、意外と受け入れてくれるんだなと思いました。 また、発信の仕方と並行して、受注する仕事そのものを見直した時期がありました。まだ装丁の仕事をしたことがない頃、どうしても仕事で一枚絵を描きたいという気持ちが強くて、カットイラストばかり描いていたらそういった依頼には繋がらないのかなと、ご依頼を減らした時期があったんです。というのも、いろんな仕事を受けすぎて体の調子が悪くなった時期があって。バランスも崩すし、やりたいこともあるし、締め切りに追われて集中できないなと、思い切って仕事を断ってみたんです。まとめればいい金額だけど、自分の絵を活かせる仕事かどうか、自分じゃなくてもできる仕事かどうか、そこをしっかり線引きするようにしました。依頼が減るのは正直怖かったです。生活に直結することなので、最初の3カ月くらいは不安の続く日々でした。たしかにその時期は仕事が減ったんですけど、でもそれによって自由に描く余裕ができたし、一枚絵の仕事や雑誌の表紙、特集の扉といった仕事をいただけるようになってきて、自分にとっては必要なことだったんだなと実感しています。過去に、一度だけ編集の方に「一枚絵がない人には依頼していいかわからない」と言われたことがあって、その時に仕事を精査してよかったなと思いましたね。それがあっての今なので、段階を踏んで地道にやってきてよかったなと思っています。 ┃ファイルWeb経由で依頼があった印象的なお仕事ドイツの水治療という自然療法を推進するためのイラストレーションを依頼されたことがあって、水につかっている女性のイラストレーションを制作しました。ファイルWebに掲載されているたくさんの作家さんの中から見つけ出して依頼してくださったのは、年配の方で。自分の絵柄的にそういった方に見ていただけたことがうれしかったですね。制作した水治療のイラストレーション また、これはファイルWeb経由のお仕事ではないのですが、去年初めてウィンドウディスプレイの仕事をしたんです。温浴施設・スパ ラクーアのウィンドウディスプレイのビジュアル制作を、夏、秋、冬と担当しました。「LaQua Summer」D:ITSU(株式会社パルコスペースシステムズ)ウィンドウディスプレイ「LaQua Summer」原画「LaQua Autumn」D:ITSU(株式会社パルコスペースシステムズ)ウィンドウディスプレイ「LaQua Autumn」原画「LaQua Winter」D:ITSU(株式会社パルコスペースシステムズ)ウィンドウディスプレイ「LaQua Winter」原画クライアントの方は、いつか一緒にお仕事をしたいと1年くらい前から連絡をしてくださっていたのですが、なかなか機会がなく、この仕事で実現できて感慨深かったです。大きな修正もほとんどなく、自由に描かせていただけたのが印象的でした。工程としては、先にある程度ディスプレイのレイアウトやデザインが決まっていたので、決められたスペースに描くものをラフで見てもらって、清書していくというものでした。夏のビジュアルは、イベントに合わせていくつかモチーフの要望をいただきましたが、基本は自由に楽しく描くことができました。これまで何回か壁画を制作したことはあったのですが、ウィンドウディスプレイの場合はデジタルで描いたものを大きくプリントするので、バランス取る過程が面白かったですね。例えば、マネキンとのサイズ比率を考慮したモチーフのサイズ調整の必要性など学びにもなりました。また、デジタルで描いているときは小さな絵でもそれが大きくなるので、実際に自分の描いたものが大きくディスプレイされているのを見ると、デジタルでは小さな描きムラでも大きく目立つことに気づくといった発見がありました。 ┃クライアントワークの際に心がけていることもちろんクライアントの意向に沿ったイラストレーションを描くことは第一条件ではありますが、自分の色を逸脱しないこととちょっとだけユニークさを出すことを意識しています。心がけるというよりも、自分が好きでやっているという感覚の方が近いかもしれません。駆け出しの頃のクライアントワークはハウツーのカット制作の依頼が多かったのですが、作家活動では自分の好きな等身大のキャラクター作品を描いていたんです。ゆくゆくはそれを融合させた仕事もしたいと思っていたところ、ここ1年くらいで「人間以外のキャラクターも入れてもらえますか」とリクエストをいただくことが増えてきて、うれしさを感じていますね。今では、お仕事によってある程度自由度があるかもしれないと感じたら、クライアントに「こういうものも描いているんですけど、入れてみてもいいですか」と確認することもあります。 ┃使用している制作ツール普段はiPadで描いていて、Procreateを使っています。色調整のためにPhotoshopを使うこともあります。2019年くらいに初めてデジタルツールに触れて、1年くらい試しながら今の形にたどり着いたのですが、その後も試行錯誤を繰り返しています。長くアナログに親しんできたので、左手を使いながら描くことができないんです。なので“直接描く”という行為がアナログからデジタルに変わったという感覚ですね。面を塗るときも、塗りつぶしではなくデジタル上のブラシで手を動かして、塗っていくというようなことをしています。クライアントワークは今後もデジタルで描く予定ですが、最近は少しアナログでも描くようになりました。2024年に京都のnuunuさんで手描き作品のみを売る企画に参加した時に、「そうだそうだ、ペンってこんなんだった」と手描きの感触が戻ってきた感覚があって。その後も何度か個展でアナログにチャレンジしています。 ┃今後してみたいお仕事装丁がすごく好きで、今はコンスタントにご依頼があるわけではないんですけど、定期的にいただけるようになったらいいなと思っています。一枚の絵として装丁と向き合える仕事をもっとしていきたいですね。 コナガイ香(KONAGAI Kaoru)神奈川県横浜市在住。 主に書籍やウェブ、広告やプロダクトなど多岐にわたりイラスト提供するほか、店舗壁画や展示など作家活動も行う。 人とひとではないものの共存、日常とすこしのユーモア。ファイルWeb掲載ページHP/Instagram/Behance
