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著作権と契約のキホン

改めて知る・考える「著作権と契約のキホン」【第12回】頼れる相談窓口・弁護士の先生たち

なんとなくは知っていても、やはり難解なイメージが強い「著作権」や「契約」。本連載では、改めてその基本を知ることで、イラストレーター、そして発注者であるデザイナーやクライアントのよりよい関係性、仕事の進め方について考えます。

第12回では、実際に疑問やトラブルが発生した際に頼れる相談窓口や弁護士の先生たちをご紹介します。

トラブル発生時に頼れる相談窓口

下記ウェブサイトで紹介されている無料相談窓口には、イラストレーターも気軽に相談することが出来ます。また、何らかの組織や団体に所属している場合は相談制度があることも多いので、ぜひ調べてみましょう。


下請かけこみ寺

運営:公益財団法人全国中小企業振興機関協会(中小企業庁委託事業)

下請取引適正化の推進を目的に、本部(全国中小企業振興機関協会)と各都道府県の中小企業振興機関(全国48カ所)に設置されており、業種問わず中小企業、個人事業主、フリーランスであれば相談出来ます。設置機関での対面相談に加え、電話やオンラインでの相談も可能。

フリーランス・トラブル110番

運営:第二東京弁護士会(厚生労働省委託事業)

業種問わず、原則労働基準法が適用されないフリーランス、個人事業主を対象とした相談窓口。曖昧な契約やハラスメント、報酬の未払いなどのトラブル発生時に、フリーランスに関する法律問題に詳しい弁護士に相談出来ます。電話やメール、対面やオンラインでの相談が可能。

文化芸術活動に関する法律相談窓口

運営:弁護士知財ネット(文化庁委託事業)

文化芸術活動に関係して生じる問題やトラブル(フリーランス新法やインボイス制度への対応、AIと著作権に関する事項を含む)などについて、受付フォームに必要事項を記載することで、専門的な知識・経験を有する弁護士に相談することが可能。多くの人から寄せられる質問をまとめて掲載した「文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問」も必見。

「INPIT 知財総合支援窓口」

運営:工業所有権情報・研修館+特許庁

中小企業やフリーランスが抱える経営課題について、「知的財産」の側面から解決を支援。知財総合支援窓口のナビダイヤル(0570-082100)に電話をかければ、全国47都道府県に設置されている最寄りの窓口に自動で接続され、著作権に関して無料で相談することが可能。

東京都知的財産総合センター

運営:公益財団法人東京都中小企業振興公社+東京都

都内の中小企業・個人事業主、都内で創業予定の個人を対象に、起業や経営改善はもちろんのこと知的財産権を含む経営全般に関して、相談することが出来る。知財については契約・係争に関する相談も出来る上、海外知財専門相談窓口も設置。必要に応じて弁理士、弁護士からアドバイスを受けることも出来る。


東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」

運営:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京+東京都

アーティストや芸術文化の担い手の持続的な活動をサポートし、新たな活動につなげるため、お悩みや困りごとを相談する「相談窓口」、活動に役立つ情報を手に入れる「情報提供」、活動に必要な知識やスキルを身につける「スクール」という3つの機能を有している(弁護士等外部専門家との無料相談あり)。

著作権に強い弁護士の先生たち

著作権や契約は難解な部分もあり、専門知識がないと判断しづらいことも多いため、具体的に困ったことがあれば著作権に強い弁護士の方々に相談するのもオススメです。

海老澤美幸先生(三村小松 法律事務所

得意分野はファッションロー、著作権関連など。ファッションエディター・スタイリストでもあり、ファッション関係者の法律相談窓口「fashionlaw.tokyo」、ファッションロー特化メディア「mag by fashionlaw.tokyo」を主宰。

大川宏先生(総合法律事務所あおぞら

得意分野は民事事件、イラストレーターの著作権関連など。『Q&Aでわかる!イラストレーターのビジネス知識』(玄光社)監修。教育機関で著作権の講義なども行っている。法律相談15分2,750円(税込)~。

河野冬樹先生(法律事務所アルシエン

得意分野は著作権関連、個人事業者向け法務など。クリエイター向けの法律にまつわるウェブ連載、勉強会なども定期的に開催。メール法律相談(月1回)、法律相談30分5,500円(税込)~。


藤森純先生(東京スプラウト法律事務所

得意分野はアート・エンタメ関連、労働法務など。芸術家支援のNPO「Arts and Law」代表理事。『イラストレーターの仕事がわかる本』(グラフィック社)監修。法律相談30分5,500円(税込)~。

第13回に続く)


執筆・編集:イラストレーション編集部

企画・編集協力・イラストレーション:オオスキトモコ

図版デザイン:尾崎行欧+宗藤朱音(尾崎行欧デザイン事務所)

*イラストレーターの仕事を主眼として、弁護士の監修、参考資料、これまでの事例などに基付き一般的と思われる法解釈によって構成していますが、本情報の運用結果については玄光社及び関係者共にいかなる責任も負いかねます。

*本特集は『イラストレーション』No.236掲載記事を再構成し、2024年7月23日にウェブ公開したものです。

【プロフィール】

オオスキトモコ

イラストレーター。2010年から『イラストレーションファイル』毎年掲載。仕事をする中でさまざまなトラブルに遭遇したことから、下請法や著作権法など法律の勉強を始める。2021年に国家資格「三級知的財産管理技能士」、2024年に「ビジネス著作権検定上級」合格。

ウェブサイト


【特集参考文献一覧】

ウェブサイト

● 公正取引委員会

 「独占禁止法とは 独占禁止法の概要」

● 公正取引委員会

 「下請代金支払遅延等防止法ガイドブック コンテンツ取引と下請法」

● 公正取引委員会

 「下請法とは 親事業者の義務」

● 特許庁

 「知的財産権について」

●厚生労働省 ※策定:内閣官房+公正取引委員会+中小企業庁+厚生労働省

 「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン【概要版】」

● 公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)

「コンペティションのガイドライン」

● 一般社団法人日本モデルエージェンシー協会(J.M.A.A)「出演と契約に関するガイドライン」

オンラインセミナー

●日本イラストレーション協会(JILLA)

「クリエイターに多いトラブルと契約書のチェックポイント」

講師:弁護士 桑野雄一郎(高樹町法律事務所)

書籍・雑誌

●『illustration』No.168特集「イラストレーターのためのお仕事マナーQ&A 文書確認編」

大川宏 監修協力(玄光社)

●『プロとして知りたいこと全部。イラストレーターの仕事がわかる本』

グラフィック社編集部+竹永絵里 編(グラフィック社)

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