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著作権と契約のキホン

改めて知る・考える「著作権と契約のキホン」【第9回】著作権と契約にまつわるQ&A⑤ 確認書で事前に合意したにもかかわらず、納品直前に独自の契約書での締結を迫られたら?

なんとなくは知っていても、やはり難解なイメージが強い「著作権」や「契約」。本連載では、改めてその基本を知ることで、イラストレーター、そして発注者であるデザイナーやクライアントのよりよい関係性、仕事の進め方について考えます。

第5回からは、知っておいた方がよい事柄、また仕事をする中でイラストレーターの方々 が遭遇する可能性の高い具体的なトラブル、その対策などについて、Q&A形式でお答えします。

確認書で事前に合意したにもかかわらず、納品直前に独自の契約書での締結を迫られたら?

契約書の内容にもよりますが、著作者人格権の不行使など、イラストレーターの複数の権利に制限をかける条項が入っている場合、非常識な行為と言えます。無料の相談窓口(第12回・参照)や公正取引委員会、弁護士(第12回・参照)などに相談し、契約書を書き換えてもらう必要があるでしょう。

もし基本の契約(基本契約約款など)の変更がどうしても難しいと言われた場合には、「個別の条件は確認書の規定が優先する」といった文言を書き加えてもらい、確認書で別途契約を交わすなどの工夫が必要です。

第10回に続く)


執筆・編集:イラストレーション編集部

企画・編集協力・イラストレーション:オオスキトモコ

監修:弁護士 大川宏(総合法律事務所あおぞら)

図版デザイン:尾崎行欧+宗藤朱音(尾崎行欧デザイン事務所)

*イラストレーターの仕事を主眼として、弁護士の監修、参考資料、これまでの事例などに基付き一般的と思われる法解釈によって構成していますが、本情報の運用結果については玄光社及び関係者共にいかなる責任も負いかねます。

*本特集は『イラストレーション』No.236掲載記事を再構成し、2024年7月16日にウェブ公開したものです。

【プロフィール】

オオスキトモコ

イラストレーター。2010年から『イラストレーションファイル』毎年掲載。仕事をする中でさまざまなトラブルに遭遇したことから、下請法や著作権法など法律の勉強を始める。2021年に国家資格「三級知的財産管理技能士」、2024年に「ビジネス著作権検定上級」合格。

ウェブサイト

大川宏(総合法律事務所あおぞら)

弁護士。得意分野は民事事件、イラストレーターの著作権関連など。『Q&Aでわかる!イラストレーターのビジネス知識』(玄光社)監修。教育機関で著作権の講義なども行っている。

ウェブサイト


【特集参考文献一覧】

ウェブサイト

● 公正取引委員会

 「独占禁止法とは 独占禁止法の概要」

● 公正取引委員会

 「下請代金支払遅延等防止法ガイドブック コンテンツ取引と下請法」

● 公正取引委員会

 「下請法とは 親事業者の義務」

● 特許庁

 「知的財産権について」

●厚生労働省 ※策定:内閣官房+公正取引委員会+中小企業庁+厚生労働省

 「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン【概要版】」

● 公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)

「コンペティションのガイドライン」

● 一般社団法人日本モデルエージェンシー協会(J.M.A.A)「出演と契約に関するガイドライン」

オンラインセミナー

●日本イラストレーション協会(JILLA)

「クリエイターに多いトラブルと契約書のチェックポイント」

講師:弁護士 桑野雄一郎(高樹町法律事務所)

書籍・雑誌

●『illustration』No.168特集「イラストレーターのためのお仕事マナーQ&A 文書確認編」

大川宏 監修協力(玄光社)

●『プロとして知りたいこと全部。イラストレーターの仕事がわかる本』

グラフィック社編集部+竹永絵里 編(グラフィック社)

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